結婚 二人で楽しむ趣味
芸園

もし、さいわいに庭のある住まい胤らば、
バラをいっぱい咲かせたり、芝ざくらや松葉
ぼたんをびっしりと植え込んだり、チューサ
ップやヒヤシンスの球根を植え込んだり、美
しい花壇を作って楽七むこともできましょう
し、また、庭のない住まいでも、テーブルの
上とか、棚の上などにプリムラの鉢や、シク
ラメンの鉢をおいて楽しむことはできると思
います。
園芸-自然を楽しみ、緑を楽しむこの趣
味は、住まいを楽しいふんいきで包んだり、
電のを育てる喜びを感じさせたり、豊かな気
持を味わわせてくれるもの。
「日曜園芸」ということばがあるぐらい、休
みの日に一日じゅう庭に出て、二人で土いじ
ゆをするのも楽しいことですが、花を育てる
ためには、たとえ一〇分間でも毎日ようすを
見てやるのが望ましいこと。
毎日出勤の前に一〇分間庭に出て、水をや
ったり、病虫害のあるなしを調べたり、また
だんだんふくらんでくるつぼみを見たり、と
いうのは、ちょっと考えると大変な手間のよ
うに思えますが、やりつけると、欠かせなく
なり、、毎朝の楽しみの一つになります。
ただ、花を咲かせて楽しむことは、つい趣
味が高じてくると、自分一人だけで楽しみた
くなり、奥さんが手入れしようとすると、神
経質になって止めたり、花だけにサービスし
て、家庭のサτビスがおろそかになったり、
という心配もなくはないようです。
1あなた、花とワタシとどつちが好き?
などということになったら大変です。
あくまでも二人で育て、二人で楽しむとい
うことを忘れないようにしてください。
そのためには、手のかかる作りにくい花を
作るよりは、作りやすい花をたくさん植え、
楽しいふんいきの庭を作るというやり方がよ
いのではないかと思います。
もちろん、どんゼん株を育ててふやしてゆ
く楽しみも大きいものがありますが、その花
の世話に時間をとられて、生活が…犠牲になる
ようでは、かえってマイナス。
それよりは、たとえ、花はじょうずに咲か
すことができなくても、二人で庭に出て土い
じりをする、二人が同じ目的で汗を流して働
く、ということが、家庭生活を築いてゆくう
えに大きなプラスになってくるわけです。
極端なことをいえば、鉢の花が枯れたら、
また別の鉢を買えばよいでしょう。庭の花が
枯れたら、それを捨ててしまって、また新し
い花を植え込めばよいのです。
その花ゑ植え込むことや、水をやることぶ
二人の生活に潤いを与え、楽しみを増してく
れれば、それでいいとも思えるのです。

山野草採集のグループに加わる

N氏はサラリガマンです。
東京成城に亡父が建てた家に住んで、都心
の会社に通勤しています。広くはないのです
が、昔建てた住宅なので、庭のスペースもい
くらかはあるのです。
父が植えた木があるほかは、なんとなく芝
ふになっていて、今までは、いっしょに住ん
でいる母がとぎおり庭に出て、草むしりをす
るぐらいのものでした。
去年の春に結婚したのですが、N夫人も特
に土いじりが好きだということもなく、とき
に園芸店から種子袋を買ってきてまくことが
あるくらい。
庭はもっぱら母にまかせっきり、という状
態だったのです。㌦
ところが、ある日、会社の同僚にすすめら
れて、ある山野草同好のグループの会に出て
みました。
学生やら、サラリ薯マンやら、家庭婦人や
らが雑然と集まった感じのその会合には、案
外、、若い人々の参加している姿も多かったの
です。
そこで、ひがんばな、たんぽぽ、すみれな
どは知っていても、まるで花の名前を知らな
かったN氏でしたが、誘われるままに、次の
日曜自、そのグループの山野草採集のハイキ
ングに参加したのでした。
たとえ、目的の山野草の採集はうまくゆか
なくても、ただのハイキングとしても、レク
リエτションによいと思って、夫人と二人で
出かけてみたのです。
行く先は高尾山。

小さなスコップを持って行き、紅の花のべ
にばなやましゃくやく、淡紫色の花をもつえ
そのたちつぼすみれ、黄花のこあつもりそう
などと教えられた株を、五、六株採ってきた
でしょうか。これらの株は、さっそくN夫人
が庭のすみに植え込みました。
山をほどよく歩いて、山野草を採集するこ
うしたハイキングは、行こうと誘-ったN氏よ
りも、帰ってくると、誘われたN夫人のほう
がずっと熱心になっていました。
せっかく採ってきた山野草の株で、庭につ
かなかった竜のもありましたボ、これも、そ
の後、グループの人に聞いて、だいぶ知識を
得ました。
採集のときは、掘りとる前に、まず水筒の
水をかけてやり、根の土を少しつけて掘りと
るのですが、水ごけか、新聞紙のぬらしたも
ので、根もとを巻き、ポリエチレンの袋に入
れて持って帰るのだそうです。ソ
このときには、根を切ることがいちばんよ
くない、とも聞いたのです。
また、株を花どきに採集するのは、いちば
ん避けたいことで、花の咲いていないときに
その株を採集すると、よぐ根づく竜のだとも
聞きました。
一ヵ月に一度の集りとか、三ヵ月に一度の
ハイキングは、こうしてN氏夫妻の共通した
趣味となり、今まで、母一人のものだった庭
も、あそこに植えてある株はあのときに採っ
てきたもの、この株はあの山で見つけたもの
というように、若いN氏夫妻にとっても楽し
み多いものとなったのです。
名のある造園家にデザインしてもらい、作
ってもらった庭も、もちろんよいものに違い
ないでしょうが、こうして二人で採ってきた
山野草を植えた庭も、楽しいものになってい
るのです。